軍団絶対主義

提供:Vikipedia
2018年4月19日 (木) 11:48時点におけるSUREIMAN (トーク | 投稿記録)による版 (→‎衰退期: 内容追加)

概要

「軍団絶対主義(Army corps Absolutely nism)」をごく簡単に定義すれば、それは『個人に対する軍団の絶対優位の主張によって諸集団(馴れ合いコテ・名無し)を軍団の下に一元的に組み換え、諸個人を軍団の目的に総動員する思想および体制』をいう。軍団絶対主義に基づく組織の事例としては、おーぷん2chにおける拓也軍団スレイマン軍団が挙げられる。これら歴史上の経緯を鑑みる限りにおいて、軍団絶対主義はおーぷん2chに稀有の思想であると捉えることが出来よう。
スレイマン一世は、軍団絶対主義を理想的な形で遂行した場合の必然的な帰結として、次のような「軍団文化」の成立が予想されるとしている。
「名無しの駆逐と馴れ合いコテ撲滅の理念を完遂するために、厳格な統治体制を保有する組織が同一掲示板内に複数存在し、それぞれが相互に敵対関係にあり、武力衝突を繰り返している状態」
この仮説は軍団絶対主義が極めて好戦的な思想であることを如実に示唆しており、その点において、軍団組織は平和や穏健といった状態と対極に位置すると考えられる。
しかし近年では、軍団絶対主義の源流たるおーぷん2chにおける馴れ合い文化の定着に伴い、「荒らし」や「戦争」の行為を敬遠する世論が醸成されていった。この主たる原因として、拓也軍団の急速な衰退、ライオンゴロシの乱における殺伐コテ勢力の壊滅が考えられる。また、ねこななしをはじめとする新規コテと名無しを優遇する雑談スレが、馴れ合いを是とする強固なコンセンサスを形成したことも、少なからず影響しているだろう。

歴史的背景

この項目においては、軍団絶対主義がおーぷん2chにおける有力な思想として体系化されるに至る歴史背景を、網羅的に概説する。

勃興期

2014年春に突如として勃発した本家における騒動は、インターネット界隈全体に波及した。それは無名の新興掲示板に過ぎなかったおーぷん2chも例外ではなかった。
保有するキャパシティを凌駕するほどに肥大化したおーぷん2chは、それと同時に増大を続ける無数の自意識を産み出した。これが俗にいう「コテハン」である。彼らは暴走する自己顕示欲をもて甘し、相互に対立構造を見出だすことによって存在意義を確保した。
おーぷん2ch黎明期におけるコテハン界隈の共通意識は「闘争」に向けられており、それはリアルで奨励される牧歌的コミュニケーション論とは相対する概念である。また、現代における殺伐文化が正当化されるに至る根拠として、黎明期にみられた原初的な本質論が用いられることもある。
しかし、その時点におけるコテハンの帰属意識は自己に向けられており、「闘争本能」を大衆煽動的なイデオロギーとして昇華させる運動は必ずしも盛んではなかった。コテハンランキングがコテハン共通の扇情メカニズムとしてある程度は機能していたものの、それが集団に対して統一性を伴う組織であったか疑問は残る。
このことから、軍団絶対主義が確立するためには、まず事前段階として、別個に独立して活動するコテハン達を包括的にまとめあげ、強固なイデオロギーとして確立させるカリスマ性を持った指導者が求められることが分かる。よって現代における殺伐文化の希薄化は、拓也の衰えから説明が可能である。

最盛期

2014年秋に拓也が設立した拓也軍団は、無秩序が常態化していたおーぷん2chを最初に統合した組織である。殺伐とした排他思想を統治機構として具現化してみせた、一つのモデルタイプであるといえよう。
2014年後期~2015年冬にかけてのおーぷん2chは、この拓也軍団と共に軍団絶対主義を熟成させていく道を辿ることになる。
拓也軍団の登場は、散発的で刹那的な煽りが一般的だったコテハン間の抗争を、より組織的に洗練された『戦争』へと発展させた。厳格で緻密な作戦行動に終始する拓也軍団を前にして、従来から続く少数グループは次々と淘汰されていった。コテハン達は自らの生き残りを模索した結果、拓也軍団に従属を誓い、又は新たな軍団を設立する道を選んだ。
この軍団文化が定着していく過度期において、名無しの果たした役割は無視できないだろう。この頃のおーぷんVIPにおける名無しは、コテハンに対して無条件での排外的・差別的な感情を抱いていた。各種スレにおける一方的な迫害行為が横行し、それを管理者サイドも半ば黙認していた。
コテハンに対する増長した嫌悪感情は、次第にコテハン自身の自立意識を育む結果になった。名無しが一般的に支配する共同体からの独立を支持する論調が自然発生的に生まれ、遂にはコテハン自治権の獲得を標榜する者が現れた。
名無しを排斥することによるコテハン自治権の確立論は、一種のナショナリズム、コミュニタリアンに通底する理念であり、全体主義的な側面を内包していた。(一部研究者によれば、軍団文化は敵対する名無しや馴れ合いコテの存在によって成立する側面があることから、伝統的な全体主義ではなく権威主義的観念を用いるべきだとの指摘がある)。
いずれにせよ、コテハンは例外なく名無しと対立すべしという強硬論が軍団絶対主義の根底に流れていることは疑うべくもない。

衰退期

2015年秋に勃発した魚群戦争によって拓也軍団が壊滅し、それまで抑圧されてきた馴れ合い主義が脚光を浴びることになった。おーぷん2chにおける馴れ合いコテは潜在的に多数存在しており、軍団主義者による苛烈を極めた弾圧(ホロコースト)の終演と共に日の目を見ることになった。
拓也軍団の消滅は、それと同時に軍団絶対主義がおーぷん2chにおける支配的な観念から脱落することを意味した。エルティーをはじめとした本家コテ雑勢力は、多様性の保証された新たな界隈秩序の誕生を歓迎した。
2016年初頭。アスぺ系馴れ合いコテとして定評を確立していた金魚は、周囲からの要望に応える形で金魚工業株式会社を設立。おーぷんの地に突如として出現した金の鉱脈を最初に掘り当てるべく、彼は団員集めに奔走した。彼ら馴れ合いコテにとっておーぷん2chは、一種のブルーオーシャンと化した。
一方で、あるべき居場所を失い路頭に迷っていた拓也軍団の残党達も、変わりゆく時代の荒波へと自ら飛び込んでいった。スレイマン一世ゴッドブレスをはじめとした煽りコテは、あくまで軍団絶対主義と拓也軍団の再興を望んだ。
彼らにとって馴れ合いコテは、排除すべき敵に映った。しかし台頭する金魚工業株式会社の勢いを止めることは困難を極めた。スレイマンやゴッドブレスらは思案の末、むしろ構成メンバーの一員として組織を内部からリードする道を得策と捉えた。
その後はしばらく小康状態を保ち、有力コテは組織から離脱して自分単独で存在を誇示する道を選んだ。やがて2016年夏にはゴッドブレスオロナミンZ天才イケメンスレイマン一世の四人が野良コテとしておーぷんコテ界隈の勢力争いをリードした。
しかし金魚工業株式会社は一部のユーザーからの熱い信頼を維持したため、瓦解するには至らなかった。野良コテ四人衆も突出した勢力を獲得するには至らず、支配的な統治機構の存在しない空白期間が続いた。


各思想形態

拓也派

軍団絶対主義系思想の中で、最も原理主義的な立場をとる。おーぷん全体における公民権を殺伐コテ特有の権利として解釈し、馴れ合いコテや名無しがもつあらゆる人権を認めない。また、コテハン歴を根拠とするヒエラルキーを導入することによって、新参・古参の優劣性を強調する。これら選民思想を極大化する点において、ナチ・ドイツのファシズム的性質を内包していると言えよう。

排他的思想を追求する立場である反面、スレ立て主の正統性として『徳』を重要視する。『徳』は古参コテが必然的に保有するはずのカリスマ性や知性に由来し、原初的に拓也が保有する固有の価値であると結論が下されている。

スレイマン派

拓也派に比べ穏健的な立場から軍団絶対主義を解釈し、

ゴッドブレス派

各識者による反論・異論

ライオンゴロシによる解釈

おーぷん2chの代表的なコテハンの一人であるライオンゴロシは、軍団絶対主義への指摘として、皮肉を交えた以下のような論述をしている。
『軍団絶対主義の本質的な議論は、主体となる構成員を精神分析することによってはじめて成り立つ。彼らがコンプレックスとして抱えるコミュニケーション能力の脆弱性は、軍団絶対主義が内包する欺瞞を克明に映し出しているだろう。リアルにおける孤独や疎外感を緩和させる一つの手段として、集団による結束的な煽り行為は自己肯定として十分に成立する。しかしその実態は虚構における自己欺瞞と相互依存であり、言うなれば『傷の舐め合い』である。こうした馴れ合い集団こそが、軍団絶対主義の本質そのものである。』