煽文分解学

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オッカムの剃刀を表した説明図。

煽文分解学(せんぶんぶんかいがく)は2ちゃんねる、またはそれ以外のインターネット掲示板における煽りについて探求する学問・思想である。煽り合いにおける文章を細かく分解し、それぞれの要素命題の真偽を確かめる事で、その文章の正しさを審査し、吟味する学問である。

概要

インターネット上における文章の罵り合いは様々なレッテルや罵倒、誹謗中傷の言葉が使われ、インターネット内で日々生まれる新しいスラング(ネットスラング)なども頻繁に使用される。こういった多くの言葉を駆使した文章の長い煽り合いは長文戦と呼ばれ、論争の泥沼化やテーマの脱線が起こるようになる。煽文分解学の意義はこうした文章に対して論理実証主義的な観点でアプローチし、「この煽りで一番主張したい事は何か」を分析し、簡潔化する事にある。

分解学は長文から短文に至るまでの全ての文章を「AはBである」(これを要素命題と呼ぶ)が集まって出来ている仮定の集合体としてみなしている。そしてこれらの要素命題を正しいか正しくないか、または真偽の判定が可能でないかに分け、検証する。

オッカムの剃刀

関連する哲学用語としてオッカムの剃刀という言葉がある。これは14世紀にイギリスの哲学者によって提唱されていた考え方で、「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする指針である。要は「くどく書く必要はねえ!!!おめーらシンプルに書け!!!!」という主張である[1]

事例

下記の煽り文を煽文分解学的に考証する(煽りの相手はBとする)。

名前:コテハンA 20XX/11/11 3:30:00.000
>>123
やっぱりお前ゴミコテだわ^^;
このスレまで粘着しにくる時点で必死すぎだろw
こないだ俺に煽り合いで負けた事まだ根に持ってるんだろ?
だからいちいち童貞ブサイクの分際でこんなしょうもない所まで勝利宣言しに来るんだよアホ
あ、無職だから夜中まで貼り付いてて当然かw

上記の文章を分解しそれぞれの要素命題を抽出すると、下記の通りとなる。

  1. Bはゴミである。
  2. Bはコテである。
  3. BはAのスレまで粘着している。
  4. AはBに煽り合いで勝った。
  5. Bは5.を根に持っている。
  6. Bは童貞ブサイクである
  7. Bも勝利を宣言している。
  8. Bは無職である。

これらの要素命題の中で2、3、7は正しい(正確には、スレを見れば審議の判定が可能であるという事)が、それ以外は客観的事実ではなく、真偽も判定が不可能である。これを踏まえて先ほどの文章を簡潔化すると、以下のようになる。

名前:コテハンA 20XX/11/11 3:30:00.000
>>123
こないだの煽り合いは俺が勝ったんだもん!

煽り合いにおける適用

これは実際に煽り合いをしているユーザー自身が使う事もできる有効な指針である。相手の主張を簡潔に変換し、よりシンプルに議論の本質的なテーマを考える事ができる。

脚注

  1. ^ なお、オッカムの剃刀は単純化の手段に過ぎない。そのため、説明に不要な存在(剃刀によって省かれた仮定)を否定するものではない。