定義のすり替え

提供:Vikipedia
定義のすり替えは双六のように議論を振り出しに戻す行為である。

定義のすり替え(ていぎのすりかえ)は2ちゃんねるの煽り合い議論などで使用される手法の一つである。互いのコミュニケーションを円滑にするための共通認識としての定義を、あえて歪曲して解釈し、議論を進めていくうちに多くの誤謬を作り出す事で相手の主張を妨害するものである。一般的には劣勢に立つ側が使用する事例が多く、守備的な戦術と認識されている。

俗に「両者の双六を振り出しに戻す行為」と言い換えられる。

概説

定義とは「AとはBである。」のように、特定の言葉に対しての正確な意味や用法などについてを、共通の認識として定める事象である。定義は矛盾を避けるため、原則として1つだけに決められている。たとえば

  • 殺人とは人を殺す事である。(殺人=人を殺す事)
  • 猫は動物である。(猫は動物の部分集合である。猫⊂動物)
  • ゲソコテハンである。(ゲソはコテハンの要素。ゲソ∈コテハン)

という具合にである。これらの場合はそれぞれの定義が明確であり、誰が見ても明らかなものであるため、この定義の双方合意の元に討論・議論は展開される。

しかし、定義の中には曖昧なものも存在する。

  • 死刑は悪である。
  • 愛情は友情に優る。
  • 命は金よりも重い。

これらを定義として双方が主張を構築した場合、一方が(一見同じ定義の認識を持っているように見せかけながら)歪曲した定義の認識を根底として論を交えるのが定義のすり替えである。これに気づいた側は再度「最初の定義付け」から議論し直さなければならなくなるため、すり替えられた側は労力を要する事になる。

対策

双方の定義認識を確認しておく

議論が行われる序盤の段階で、相手の定義に対する認識(どのような共通理解と考えているのか)を確認すればよい。これによって相手はすり替えを行いづらくなる。

明確な定義を根底に置く

単純明快な定義を基礎として議論を進める。ただしこれは話の流れに依るため、やや操作が難しいとの指摘もある。

関連項目