過去ログ

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過去ログ(かころぐ、:Archives)とは、掲示板やサイトの過去の書き込み日時や文章などの諸々の記録(ログ)を遡及し、閲覧することのできるインターネット上の保管媒体を指す。

概説

過去ログはインターネット上の文化史や人物史を考察する上で手がかりとされる史料で、その掲示板自体に保管されている文献や、GoogleやInternet Archive[1]などのキャッシュ、イメージ史料となる画像、動画、場合によっては出版され紙の媒体となった書籍などを含む。編纂者がインターネット史を研究・記述する際に用いる「書き込みの痕跡」が過去ログである。

過去ログの性格

煽り合いやネット文化の研究は過去ログに基づいて行う。しかし、例えば古いログを一つ取ってみても、そこに書かれたことが事実であるとは限らない。ユーザーにはあるがままの事実(客観)を書くことは不可能であり、その社会的立場やものの見方(主観)からしか表現できないからである。お互いに顔の見えないインターネット上における情報は、不都合な点を省略したり、あえて虚偽を記す場合が多々ある。

さらにまとめブログなどを参考にする場合は転写の際に恣意的な歪曲、意図的な書き込みの間引きなどが原因で、史料として全く参考とならないのが通常である。そのためこういった類のものを含めて、過去ログについては史料批判の作業が欠かせない。

種類

過去ログは実際の歴史学における史料と同じように看做され、一次史料・二次史料等に分けて捉えられる。

一次史料

一次史料とは、その書き込みや活動がなされた掲示板そのもののデータベース内に残るスレッドやレスポンスである。これらはネット上で発掘を行う際に自由に閲覧することが出来るものもあれば、有料制や登録制などで閲覧が制限されているものもある。

二次史料

二次史料とは、その掲示板以外の(一次史料を基に後から作成された)媒体のこと。例えば2ちゃんねるにおいては、2ちゃんねる自体は一次史料であるのに対し、ログ速や2ch.sc、まとめブログなどは二次史料である。ただし、研究テーマによってはこの二次史料自体をその当時の文化や人物像を知る一次史料として用いることも可能である。

一次史料の意義

(正確性の検証はともかく)一次史料はネット上の諸々の考察に新たな情報を提供し、影響を与えるものである。編纂者は自ら一次史料を確認するとともに、新たな(未だ"発見"されていない)一次史料を探すことに熱心である。なぜなら、二次史料や既存の文献類のみを元に考察し、一次史料を使わない研究は、オリジナルな研究とは認められがたいからである。

ただし、一次史料は必ずしも正確というわけではない。例えばコテ評価などは主観的で偏った記述が付き物であり、コテハンに対する知識の乏しい人間が偏向した一次史料の過去ログを直接読めば誤った情報を得る事になる(殺伐とした馴れ合い煽り合いと勘違いしてしまう事もあるであろう)。その為、一次史料の読解のためには、その史料にバイアスを与える種々の背景を把握しなければならない。また、まとめブログなどを二次史料だからといった理由のみで価値が低いと捨て去るのでは重要な情報を見落とすことにもなりかねないので、注意が必要である。

2ちゃんねるにおける過去ログ

2ちゃんねるにおいての過去ログは、古いスレッドを参照するための記録として様々なインターネット上のデータベースに保存されている。利用者はこれらを使用し、文章の引用や煽り合いでの論拠の提示などに活用している。

なお、かつてはを取得していなければ閲覧できない仕様となっていたが、現在は無制限にどのユーザでも閲覧する事ができる(一部ログが消失しているスレもある)。

脚注

  1. ^ [1]を参照。
2ch考古学
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