空気コテ

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空気コテ(くうきこて)とは2ちゃんねるなどの電子掲示板で使われる用語の一つを指し、活動量や活動期間が短いためにその掲示板内での知名度が極めて低いコテハンを指す言葉である。

「コテを付けても空気のように名無しと同化してしまい、存在感がない固定ハンドル」という由来から名付けられており、コテとしてトリップを付けている以外に活動があまり注目されない場合にそう呼ばれることが多い。侮蔑的な形容であると一般に考えられているが、自虐的なネタとしてコテハン自身が自称することもある。

概要

どの時間帯に、どの場所で、どのようなレスをするかは個々のコテハンの知名度に大きく関わるが、あまり活動できない、または活動する際のレスが単調のために存在感が無いと評価をされたコテが空気コテと呼ばれる。

コテとしてデビューしてもすぐに飽きてコテ引退となったり、名無し至上主義色の強い板では空気コテであるという理由で叩き対象となる事例が大半である。しかし、最初は空気コテと呼ばれていても、地道なコテハン活動を通じて大きく注目され、有名コテになったりファンが付いたりする事例もしばしば存在する。特に、同じ時期に有力なコテが生まれていない板や、長く不毛な煽り合いの続いている板など、波乱の起きやすい状況では予期せぬ躍進が見られる。逆に、かつては有名コテであった人物でも、紆余曲折を経て数年ぶりに書き込みをする場合は空気コテと呼ばれることがある。たとえば、ニュース速報VIP板で2012年に立てられたコテスレでは、かつての有名コテである魔少年D.Tを知らない人間もいた[1]

ニュース速報VIP板では良酉トリップ)、鳥のさえずりTwitter)、ハチドリBE)の三トリがそろっていないコテほど空気コテと呼ばれる傾向がある。その一方、BEやトリップなどの個人識別の特徴が無くとも、強烈な個性や常軌を逸した言動をする人物であれば空気コテと呼ばれることはほとんどなく、その場合は半コテなどと呼ばれる。

VIPやなんでも実況(ジュピター)板などの過密板では毎年多数の空気コテがデビューしており、近年では高校生や大学生の休み期間が多い夏期にたくさんのコテが生まれる傾向にある。VIPでは2007年、2008年、2013年など、不定期ではあるが毎年の夏にコテの乱立時期が存在する(例:第三次コテ乱立時代を参照)。

空気コテの活動

いわゆる有名コテと同様のレスを行う空気コテが無論ほとんどである。一方空気コテの中には、有名になるために荒唐無稽な主張・言動を行う者や、知名度を獲得するために大規模な荒らしを行う者なども少なからず存在する。また、現実での勉強や仕事が多忙なコテが多いため、板に24時間常駐や必死チェッカー1位の獲得など、時間と手間の掛かる活動はできない場合が多い。

過密板の下では、「活動量の少ない空気コテの知名度は新しいコテハンが生まれる度にゼロに近づいていく」というデュヴェルジェの法則があり、新しいコテハンより少ない書き込み数のコテは次第に空気コテ化していく傾向がある。

呼称

一般的に空気コテ自身は「空気」と呼ばれることを嫌っている。「コテをつけていてもつけていなくても変わらない」と言われているも同然なのだから当然といえよう。そこでさまざまな言い換えが試みられている。一部のコテハンの間では、有名コテよりも面白いレスをするものの半ば隠れた逸材のような存在となっている空気コテに敬意を表して「マイナーコテ」と呼んでいる。この呼び方はコテに対してある程度の理解を示す名無しの間にも普及している(これは、「メジャーな」コテに対する対立概念ととらえられるだろう)。また、空気コテがコテ評価などで紹介される際、できるだけ平等な目線で配慮して扱われることから「隠れコテ」と呼ばれることもあるが、さほど定着しているとはいえない。

ただ、過去の2ちゃんねるにおいては荒らしを行うために便宜的にコテを付けたユーザが大規模なスクリプト爆撃を行った事例や(東方厨など)、一時的にコテを付けた夏休み期間の中学生が各板で煽りを集団で行い問題となったこともある。そのような経緯からコテハン全体に対する名無しのイメージ低下などもあって、真剣にネタレス糞スレなどの活動に励んでいる固定ハンドルまでもが叩かれ、空気コテとして扱われる事例も少なくない。そのため空気コテよりも更に下に位置する概念の蔑称として「無名コテ」という呼称が用いられることもある。

脚注

関連項目