コテハン

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2ちゃんねるのコテハンを表した写真。それぞれが仮面を付けてコテを「演じて」いるが、部分的ではあるが素顔が見え隠れしている。

コテハンは2ちゃんねるを含むほぼ全ての電子掲示板などで使用されるインターネット用語の一種で、「固定ハンドルネーム」の略称である。継続的に名前を記入して掲示板に書き込むユーザー、またはその行為を指し、名無しとは正反対な概念と性質を持つ。通常は短縮形のコテという呼び名が使われる。

概要

1990年代の匿名形式の電子掲示板の登場により、それまで「ハンドルネーム」が大半であった掲示板ユーザの間に「名無し」と「固定ハンドルネーム」の概念が生まれた。その後2ちゃんねるの登場により匿名掲示板は一般的なものとなり、ハンドルネームを使用して書き込む人間の数は相対的に減少していった。

現在の2ちゃんねるでは、コテハンは特定の人物を識別するための記号として機能している。ほぼ全てのコテハンは他人による騙りを防ぐためにトリップを使用しており、この「コテハン名+トリップ」のセットが一般的なコテの形式である。まれに名前を使用せずにトリップのみで活動するユーザも存在するが、これは酉コテと呼ばれる。

匿名掲示板という特性上、2ちゃんねる内にはコテのための掲示板といえる場所は存在しないが、一部の板(ニュース速報VIP自己紹介板など)は名無しに対するコテハンの比率が多いとされる。

電子掲示板におけるコテハンの意義

一般的にはインターネット上において、実名で発言することは特に禁じられてはいないし、また実際に実名のみで活動しハンドルネームを持たない者も2ちゃんねるにおいてはわずかながら存在する。しかし遊び心から、また「実名を秘匿することで、現実世界においての人身攻撃を防ぐ」といった実利的な面から、ネットワーク上に参加する者がなんらかのハンドルネームを持つことは、昨今では広く普及している[1]

コテハン名

一般的な固定ハンドルは本人自身が案出し、複数のサイトやコミュニティ(SNS・ブログ・Skype・その他の電子掲示板など)で広範に渡って名乗ることで認知される。この点において、ハンドルネームはいわゆる芸名・筆名などと同質であり、他者から贈られる愛称とは命名主体が異なる。固定ハンドルはプライバシーや実社会での地位などの秘匿は可能だが、個人の特定が不可能ではなくなり、活動履歴や他者からの評価が蓄積されるという意味では芸能人の芸名や作家のペンネームに近い。

もちろんコテハン名は本人自身だけではなく、本人が掲示板上で募集した名前から決められる事もある。2ちゃんねる上では主に安価と呼ばれるランダムな選択方法が主流であり、無作為に(他人に)決められた名前を本人がハンドルネームとして使うというものである。また、過去の情報の蓄積から他人から自然と愛称で呼ばれるユーザも存在する。その場合は半コテと呼ばれ、名無しでありながらも特定の人物として、半ばコテハンのような概念として周囲に認識される。

2ちゃんねるなどのコテハンのコミュニティ間では、固定ハンドルが実名と同等のアイデンティティとなり得る。例えば、電子掲示板上で知り合ったコテハン同士はSkypeでやりとりするときに固定ハンドルで呼び合い、またネット外で現実に会う際(オフ会)でも実名を明かさず(仮になんらかの機会によって相手の実名を知ったとしても)、コテハン名で呼び合うことが多い。

コテハンと名無しの関係性

名無しが日付を跨がない自己主張方法であるのに対し、コテハンとは日付を跨ぐ自己主張方法である。その目立つ名前欄や、知名度を第一とするようなコテハンの考え方を嫌悪し、軽蔑する名無しは多い。それ故コテは叩き煽りの対象となりやすいのが現状である。なお、SS安価などのスレではスレの主が便宜上コテを付ける場合があるが、この際は叩かれる事は少ない。
この互いの立ち位置から、名無しの中では名無し至上主義、コテハンの中ではコテ至上主義の考え方を持つ者が少なからず存在しており、対立を深める要因の一つとなっている。

潜伏

実生活においては、ひとりの人間がいろいろな場面に応じて複数の名義や人格を使いわけることはそれほど珍しい事ではない。しかし、インターネット上の特定の掲示板において複数のハンドルネームを使い分け、複数の人間が活動しているかのように見せかける行為は、それが偏った目的(特定のコテハンや名無しへの煽り粘着)のためである事が判明した場合は潜伏と呼ばれ、コテハンを含む他のユーザー達からは激しく非難されるのが通例である。この行為が特定のコテハンや人物などへの賞賛・いわゆる『やらせ』行為などであった場合も自演売名と呼ばれ、同じく非難される。

また、ある人物が故意に他者と同じハンドルネームを名乗る行為や、複数人物が特定のコテハンと同じ固定ハンドルを名乗る行為も、マナーを逸脱した振る舞いであるとして非難の対象になることがある。

脚注

  1. ^ Wikipedia「コテハン」 - 2015年11月19日閲覧。

関連項目